
活動報告

活動報告
2025年度
4月27日
第70回日本生殖医学会学術講演会のシンポジウムにお招きいただき、「幹細胞を用いたヒト胚モデル研究と倫理的・法的・社会的課題(ELSI)」についてお話をさせていただきました。当班で行う研究倫理支援についても紹介しました。(神里)
4月29日
第1回班会議をPS・POの先生方、AMED担当者様にもご参加いただき、開催しました。ヒト胚研究の規制状況と本プロジェクトの目標、研究開発計画、各メンバーの担当について研究代表者より説明をしました。その後、2つにわかれてグループワークをし、その結果の発表と全体でのディスカッションをしました。最後に、PS・POの先生方、AMED担当者様からコメントをいただきました。
当研究班のメンバーは多様な分野の専門家で構成されています。メンバーの知識と行動力を結集して研究開発課題に取り組んでいきたいと思います。 (神里)

5月29日
2025年5月29日に開催された第157回生命倫理専門調査会(内閣府総合科学技術・イノベーション会議 )において『ヒト胚を用いた基礎的研究に関する倫理審査の実状と課題』というタイトルで報告させていただきました。
ヒト胚関連研究は、不妊治療を受けている/いた方、及び、社会からの信頼がなければ成り立ちません。そのため、研究の倫理的・科学的妥当性を担保するために「適正な倫理審査」の実施が極めて重要です。しかし、その実現には課題があると考えます。本報告では、「適正な倫理審査」に関する課題を抽出し、解決策を提示しました。内容はこちらからご覧いただけます。 (神里)
https://www8.cao.go.jp/cstp/tyousakai/life/haihu157/siryo5-2.pdf
9月17日~19日
千葉県鴨川市で班合宿を開催しました。8名のメンバーが参加するとともに、AMEDからも2名の方がご参加くださいました。
この合宿では、「マッピング分科会」「海外調査分科会」「チェックリスト分科会」を設け、各担当者がこれまで調査したことなどを踏まえて今年度の研究開発課題に取り組みました。最終日には、各分科会から成果の発表がなされ、更に全員で議論をしました。
メンバーが一堂に会して集中的に調査や議論を進めることができたため、実りの多い合宿になりました。(神里)


10月11日
第66回母性衛生学会学術集会で「一般女性の中絶の認識と中絶をうける際に必要とする支援について―第 1 報―」「 一般女性の中絶の認識と中絶をうける際に必要とする支援について―第 2 報― 」を報告しました。(高橋)

11月22日
第37回日本生命倫理学会年次大会@盛岡にて、「ヒト胚関連研究の規制ー知って欲しい現状、そして、みんなで考えたいこれからの規制のカタチ」というタイトルでワークショップを実施しました。当班から、由井先生、小門先生、そして神里が以下の報告をしました。
神里「報告1:ヒト胚関連研究の規制の現状と課題」
由井「報告2:ヒトを対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」の対象内のヒト胚研究の実施状況と細分類」
小門「報告3:ヒト胚関連研究の規制 ─フランスの動向─」
その後、報告に対して、順天堂大学・菱山豊先生、芝浦工業大学名誉教授・小出泰士先生より貴重なコメントをいただきました。
ワークショップの冒頭、来場者にヒト胚関連研究への関与経験(研究者支援や倫理審査委員としての関与、ELSI研究の実施)についてアンケートをしたところ、ほとんどの方が関与経験がないとのことでした。そのような方にこのワークショップに関心を持っていただき嬉しかったです。
今後も様々なバックグラウンドを持つ方とディスカッションができる場を作っていきたいと思います。(神里)




11月23日
第37回日本生命倫理学会年次大会@盛岡にて、「日本の一般女性におけるヒト中絶胎児組織の研究利用に関する意識についての考察―中絶についての認識や生活背景による違いから―」を報告しました。
今年2~3月に日本の18~49歳の成人女性を対象に行った調査結果をもとに、日本で中絶胎児組織の研究利用を進めるのであれば、一般の人に知ってもらい、十分に考えた上で研究への協力について判断するための土壌を作ることが必要であることを報告させていただきました。(髙橋)

12月19日
日本人類遺伝学会AMED スポンサードシンポジウム「ヒト胚とゲノム解析:医療研究開発ガバナンスの”次の一歩”を考える」にて、以下の発表をさせていただきました。
阿久津英憲:Human Embryo Genome Editing and Whole Genome Sequencing: Current Status, Scientific Needs, and Ethical Challenges 神里彩子:Current issues and future direction regarding the governance of the human embryos handling including PGT-M
PGT-Mとヒト受精胚ゲノム編集は、1)胚への介入による生まれてくる子どもや子孫の健康への影響(現在は、特にヒト胚ゲノム編集)、技術的に検査や修復できる範囲が広がれば、2)夫婦のニーズも拡大し、商業化へもつながる可能性、3)「疾患」を持って生まれることへの社会の不寛容が助長される可能性、という共通の課題を持っています。各技術がもたらす倫理的課題を抽出し、それを統合的に検討していくことが必要です。(神里)
2月7日
イタリアのSocieta’ Italiana Embryiologia Riproduzione e Ricerca(SIERR)と日本生殖医学会(JSRM)によるjoint webinarで報告させていただきました。このセミナーは、第1部:PGT-Aの最前線、第2部:胚培養士の認証プログラム、第3部:胚研究の法的・倫理的枠組み、というテーマで構成され、それぞれのテーマをイタリアと日本から1名ずつ発表する形式がとられました。私は第3部で”Beyond the Boundaries of ART. Legal and ethical frameworks surrounding gamete and embryo research”についてお話をさせていただきました。ヒト胚研究に対する規制が厳しいイタリアとの比較は興味深かったです。(神里)
9月17日
オンライン研究会「英国HFE法の見直しおよび14日ルールをめぐる動向」を開催しました。
研究会では、英国におけるHFE法(Human Fertilisation and Embryology Act)の見直し、とりわけヒト胚研究の「14日ルール」をめぐり、制度の方向性についての検討状況と、制度見直しにおける市民参加のあり方という二つの観点から報告を行いました。
第1報告では、横野恵(早稲田大学)が、HFE法の見直しについて、ヒト胚研究における14日ルールをめぐる近年の動向を中心にについて報告しました。1990年HFE法によって法的規制として導入された14日ルールの背景を確認したうえで、ヒト胚の長期培養技術の進展を受け、英国において規制の見直しが議論されている状況を紹介しました。また、HFEAやNuffield Council on Bioethics(NCOB)等における検討を取り上げ、今後の規制のあり方について検討しました。
第2報告では、高橋由美(早稲田大学)が英国において、14日ルールをはじめとするHFE法に基づくルールに関連してこれまで実施されてきた市民対話の方法について報告しました。参加者の選定、情報提供、熟議の方法、独立した監督・評価、政策形成への反映といった観点から、特徴を検討しました。
報告後の意見交換では、生命倫理上の政策形成に市民の意見をどのように取り入れるべきか、日本における胚研究規制や政策形成過程との比較などについて議論しました。(横野)
2月19日
日本臨床試験学会で、「生殖細胞作成倫理審査委員会の運用における問題点について」(宮前 由里恵、神里 彩子)を発表しました。生殖細胞作成研究に対する倫理支援を通じて得られた知見や課題をまとめた内容です。ヒト胚関連研究の実施数は少ないため、研究者や研究機関のニーズ、指針の問題点などが表出されにくい状況にあります。当班の支援からわかったことを学会発表を通じて他機関と共有する取り組みを今後もしていこうと思います。(神里)
2月28日
第2回班会議を開催しました。今回は、POの先生方、AMED担当者様に加え、内閣府及び文部科学省の関係部署の担当官の方にもご参加いただきました。神里から2025年度の全体的な進捗情報を報告した上で、4名の研究分担者・研究協力者に各自の研究の進捗を報告していただき、それぞれにつきディスカッションをしました。
1)全体的な進捗状況(神里) 今年度の研究開発計画項目ごとに、ヒト胚関連研究の支援体制の構築と支援状況、研究活動の進捗(教材作成、調査)、ヒト胚研究と関連制度のマッピングの結果等について報告された。 2)ヒト胚関連研究の倫理審査委員会の設置・運営(宮前) ヒトiPS細胞からの生殖細胞作成研究に関する倫理支援委員会設置および支援経験から得られた知見について報告された。 3)ヒト胚関連研究者等へのインタビュー調査等の結果(由井) 胚関連研究者へのインタビュー結果、及び、WEB検索で見えてきたヒト胚研究のIC含む日本の現状と今後の課題について報告された。 4)フランスにおけるヒト胚関連研究の規制の状況(小門) フランスの生命倫理法の構造とヒト胚関連研究の規制変遷、及び、ヒト胚研究に対する社会的動向について報告された。 5)韓国におけるヒト胚関連研究の規制の状況(洪) 韓国におけるヒト胚関連研究の規制状況、ゲノム編集の基礎研究、ゲノム編集の臨床応用の規制状況について報告された。
POの先生方、及び、AMED担当者様から、順調に計画を進めているとの講評をいただきました。また、政府担当官の方からは今後も意見交換をしていきたい旨のコメントがありました。 来年度もメンバーで力を合わせて、研究開発を精力的に進めていきたいと思います!(神里)

2026年度
8月4日
厚生労働省主催『ゲノム新時代シンポジウム』のパネルディスカッション「ゲノム新時代の規制と国民的理解の在り方」にパネリストとして参加させていただきました。「ヒトゲノム編集胚等の取扱いの規制に関する法律」が制定されたことへの思いや、ゲノム情報を用いた差別について、座長から発言を求められてお話しました。(神里)

8月19日
2026年8月19日に開催された第163回生命倫理専門調査会(内閣府総合科学技術・イノベーション会議 )において『ヒト胚の14日を超える培養についての意識調査』というタイトルで報告しました。
近年、ヒト胚を14日を超えて培養する研究の是非が世界的に議論されています。 この点に対して、2022年に実施した、幹細胞研究者や一般市民を対象とした意識調査の結果を報告し、この問題のわかりにくさが様々な人々を交えた議論の課題になることなどを示しました。また、2026年に本研究班で実施した調査の一部も紹介し、14日を超える培養以前の問題として、胚研究そのものの認知度が低さが示唆されることを報告しました。
報告資料は、こちらからご覧いただけます。https://www8.cao.go.jp/cstp/tyousakai/life/haihu163/siryo2-1.pdf
(由井)
8月24日
今年7月に「ヒトゲノム編集胚等の取扱いの規制に関する法律」が公布されたことを受けて、NHKの番組『視点・論点』にて、「“ゲノム編集ベビー”禁止法と生命倫理」というタイトルでお話しさせていただきました。ゲノム編集とはどのような技術なのか、受精胚ゲノム編集は体細胞ゲノム編集とどのような違いがあるのか、なぜ法律の制定が必要とされたのか、などについて解説をしました。その上で、将来、子どもや子孫の身体的安全性を確保できるようになった場合、ゲノム編集技術をどのように扱っていくのがよいか一人一人が考え、議論をし、方向性を決めて行かなければならないことをお話しました。https://www.web.nhk/tv/pl/series-tep-Y5P47Z7YVW?tep=JZ2Y6G7K7N
ヒト胚研究そのものの認知度が低い現状においては、多くの人にヒト胚研究について知っていただき、社会的議論をするための素地を作ることから始める必要があります。この研究班でも、地道に情報発信をしていきたいと思っています。(神里)
9月17日
オンライン研究会「英国HFE法の見直しおよび14日ルールをめぐる動向」を開催しました。
研究会では、英国におけるHFE法(Human Fertilisation and Embryology Act)の見直し、とりわけヒト胚研究の「14日ルール」をめぐり、制度の方向性についての検討状況と、制度見直しにおける市民参加のあり方という二つの観点から報告を行いました。
第1報告では、横野恵(早稲田大学)が、HFE法の見直しについて、ヒト胚研究における14日ルールをめぐる近年の動向を中心にについて報告しました。1990年HFE法によって法的規制として導入された14日ルールの背景を確認したうえで、ヒト胚の長期培養技術の進展を受け、英国において規制の見直しが議論されている状況を紹介しました。また、HFEAやNuffield Council on Bioethics(NCOB)等における検討を取り上げ、今後の規制のあり方について検討しました。
第2報告では、高橋由美(早稲田大学)が英国において、14日ルールをはじめとするHFE法に基づくルールに関連してこれまで実施されてきた市民対話の方法について報告しました。参加者の選定、情報提供、熟議の方法、独立した監督・評価、政策形成への反映といった観点から、特徴を検討しました。
報告後の意見交換では、生命倫理上の政策形成に市民の意見をどのように取り入れるべきか、日本における胚研究規制や政策形成過程との比較などについて議論しました。(横野)