プロジェクトの概要

プロジェクトの概要

本プロジェクトについて

ヒト胚について分子生物学的に知識を深めることは生命科学、医学の発展において重要であり、その研究開発の進展が望まれています。他方で、ヒト胚は、「人の生命の萌芽」であるため、通常のヒトの組織、細胞とは異なり、特に尊重されるべき存在とされています。この二つの要請のバランスを図るため、ヒト胚関連研究については多くの特別な研究指針が制定及び改正されてきました。しかし、現在、ヒト胚関連研究は、①研究実施数が少ないこと、②ヒト胚関連研究に対する規制が複雑であること、③規制の矛盾とダブルスタンダードが生じていること、④倫理審査の質の担保が不安定であること、という課題を抱えています。課題②は課題①の要因の一つと考えられ、課題②③④は研究への社会的信頼を低下させるかもしれません。また、課題③④は国際的な科学コミュニティからの信頼性確保に支障を及ぼす可能性もあります。
そこで、本プロジェクトでは2つのアプローチからのこれらの課題解決に取り組んでいきます。

Aヒト胚関連研究の
適正な実施に向けた研究
倫理支援モデルの構築
ヒト胚関連研究課題に対して倫理面からの「伴走支援」を行います。具体的には、特定の研究課題に対し、倫理審査委員会立ち上げ支援、倫理研修の実施支援、研究者や倫理審査委員会事務局に対する助言・倫理申請書類の作成支援、患者・市民参画(PPI)に関する研究者支援等を行います。これにより、研究者が当該研究課題について適正かつ迅速に研究を開始できるようにします。
「研究倫理支援パッケージ」の開発を行います。具体的には、倫理審査委員会立ち上げに必要な文書モデル開発、倫理研修のための教材開発、審査ポイントについての倫理審査支援ツール開発、インフォームド・コンセントの補助資料の開発等を行います。
Bヒト胚関連研究の
体系的制度設計
現在の規制制度を見直し、新たな技術が出てきたときの規制方法、生殖補助医療に関する法制度、及び、将来的なヒト胚関連研究の臨床応用も勘案した体系的制度設計を行います。具体的には、生殖補助医療を含めヒト胚の取扱い全般に関連する現行制度のマッピング、胚研究者へのインタビュー調査、体外受精経験者への調査、海外のヒト胚関連研究の規制に関する制度及びその運用に関する調査を行う予定です。これらによって得られた情報、知見をもとに、国民や国際的科学コミュニティからの信頼を得ながらヒト胚関連研究を機動的に行うための新しい制度設計案を作成します。
Aヒト胚関連研究の適正な実施に向けた研究倫理支援モデルの構築
ヒト胚関連研究課題に対して倫理面からの「伴走支援」を行います。具体的には、特定の研究課題に対し、倫理審査委員会立ち上げ支援、倫理研修の実施支援、研究者や倫理審査委員会事務局に対する助言・倫理申請書類の作成支援、患者・市民参画(PPI)に関する研究者支援等を行います。これにより、研究者が当該研究課題について適正かつ迅速に研究を開始できるようにします。
「研究倫理支援パッケージ」の開発を行います。具体的には、倫理審査委員会立ち上げに必要な文書モデル開発、倫理研修のための教材開発、審査ポイントについての倫理審査支援ツール開発、インフォームド・コンセントの補助資料の開発等を行います。
Bヒト胚関連研究の体系的制度設計
現在の規制制度を見直し、新たな技術が出てきたときの規制方法、生殖補助医療に関する法制度、及び、将来的なヒト胚関連研究の臨床応用も勘案した体系的制度設計を行います。具体的には、生殖補助医療を含めヒト胚の取扱い全般に関連する現行制度のマッピング、胚研究者へのインタビュー調査、体外受精経験者への調査、海外のヒト胚関連研究の規制に関する制度及びその運用に関する調査を行う予定です。これらによって得られた情報、知見をもとに、国民や国際的科学コミュニティからの信頼を得ながらヒト胚関連研究を機動的に行うための新しい制度設計案を作成します。

メンバー

研究代表者神里 彩子国立成育医療研究センター・研究所 医事法制研究部 部長
研究分担者阿久津 英憲国立成育医療研究センター・研究所 再生医療センター センター長
横野 恵早稲田大学 社会科学総合学術院 社会科学部 准教授
小門 穂大阪大学 人文学研究科 准教授
由井 秀樹山梨大学大学院総合研究部附属出生コホート研究センター 特任助教
研究協力者三浦 竜一東京大学ライフサイエンス研究倫理支援室 教授
山田 満稔慶応義塾大学医学部産婦人科教室 准教授
吉田 幸恵千葉大学医学部附属病院 特任助教
宮前 由里恵国立成育医療研究センター・臨床研究センター 臨床研究管理室長
高橋 佳子国立成育医療研究センター・研究所 医事法制研究部 研究員
洪 賢秀国立成育医療研究センター・研究所 医事法制研究部 研究員